なぜ「ブランド」は力を持つのか?商品力だけでは選ばれない時代のブランディング入門

価格や品質が横並びの時代、選ばれる理由は「ブランド」にあります。本記事では、ブランドが力を持つ理由と5つのブランド階層、ブランディングの本質を実務視点でわかりやすく解説します。
目次
- なぜ「ブランド」は力を持つのか
― 商品力だけでは選ばれない時代の前提整理 - ブランドは一枚岩ではない|5つのブランド階層
2-1. コーポレート(企業)ブランド
2-2. 事業ブランド
2-3. ファミリーブランド
2-4. 製品群ブランド
2-5. 製品ブランド - ブランドの力は「ブランディング」で決まる
― 名前を付けるだけでは意味がない理由 - 具体例で理解する|ブランド階層の使い分け
― ビジネス・SNS・店舗運営への応用視点 - まとめ|ブランドは「会社の資産」である
― 今日から取るべき次のアクション - 補足|ゴルフ場のSNS運用に「ブランド階層」の考え方を当てはめると何が変わるのか
1. なぜ「ブランド」は力を持つのか
― 商品力だけでは選ばれない時代の前提整理
今の市場では、「良い商品を作れば売れる」という考え方が通用しにくくなっています。品質、機能、価格はすでに一定水準に達しており、比較すればするほど違いが分かりにくい。そんな状況の中で、最終的に選ばれるかどうかを左右するのがブランドです。
ブランドは、商品そのものの性能ではなく、「この会社なら信頼できる」「このブランドが好きだ」という感情的・心理的な判断軸をつくります。つまり、ブランドとは意思決定を簡略化する装置だと捉えることができます。情報があふれる時代だからこそ、人は“分かりやすい基準”を求め、その役割をブランドが担っているのです。
2. ブランドは一枚岩ではない|5つのブランド階層
ブランドという言葉は一括りにされがちですが、実際には明確な階層構造があります。この構造を理解せずにブランディングを行うと、メッセージが分散し、効果が弱まってしまいます。
2-1. コーポレート(企業)ブランド
企業そのものの信頼性や姿勢を表すブランドです。
採用、取引、商品購入など、あらゆる接点の土台となる存在で、「この会社と関わって大丈夫か」という判断に影響します。
2-2. 事業ブランド
企業内の特定事業を象徴するブランドです。
複数事業を展開する場合、事業ごとの専門性や価値を明確にする役割を果たします。
2-3. ファミリーブランド
複数の製品カテゴリーを束ねるブランドです。
消費者に「この名前が付いていれば一定の品質がある」という安心感を与え、購買のハードルを下げます。
2-4. 製品群ブランド
同一カテゴリー内のラインナップをまとめるブランドです。
選択肢を増やしつつ、世界観や価値を統一するために使われます。
2-5. 製品ブランド
個別の商品そのもののブランドです。
最も消費者に近く、購入の最終判断に直接影響します。
重要なのは、自社がどの階層を軸に戦うのかを明確にすることです。
3. ブランドの力は「ブランディング」で決まる
― 名前を付けるだけでは意味がない理由
ブランドは、名前やロゴを付けただけでは成立しません。
価値が蓄積されて初めて、ブランドは力を持ちます。この価値を積み重ねる行為こそがブランディングです。
ブランディングとは、商品やサービスに一貫した意味づけを行い、「選ばれる理由」をつくり続けることです。価格が多少高くても納得される、多少の欠点があっても支持される状態は、偶然ではありません。
マーケターの視点で重要なのは、ブランディングを広告やデザインに限定しないことです。顧客体験、発信内容、企業姿勢の一貫性が、すべてブランド価値として積み上がっていきます。
4. 具体例で理解する|ブランド階層の使い分け
― ビジネス・SNS・店舗運営への応用視点
たとえばSNS運用では、製品ブランドの情報発信だけを続けても、価格比較の土俵から抜け出すのは難しい。一方で、企業ブランドとしての思想や価値観を伝え続けることで、「この会社だから選ぶ」という理由が生まれます。
店舗ビジネスでも同様です。商品力だけでなく、接客や空間づくりを通じて企業ブランドを体験させることで、価格競争から距離を取ることができます。
どのブランド階層を前面に出すかによって、戦い方は大きく変わるのです。
5. まとめ|ブランドは「会社の資産」である
ブランドは短期的な売上を生む魔法ではありません。しかし、中長期的に見ると、価格決定力や顧客ロイヤルティとして確実に企業を支えます。
自社は今、
どのブランド階層で認識されているのか。
どの価値を積み重ねるべきなのか。
まずはここを整理することが、ブランディングの第一歩です。ブランドを「装飾」ではなく「資産」として育てる視点が、これからのビジネスには欠かせません。
6. 補足|ゴルフ場のSNS運用に「ブランド階層」の考え方を当てはめると何が変わるのか
ここまで解説してきた「ブランドの階層」と「ブランディング」の考え方は、ゴルフ場のSNS運用にそのまま当てはめることができます。
むしろ、ゴルフ場こそブランド階層を意識しないと、SNSが“場当たり的な投稿”になりやすい業態だと言えます。
「SNSを更新しているが、集客やリピートにどう効いているのか分からない」と感じている場合、その原因は投稿内容ではなく“どのブランド階層を伝えようとしているのかが曖昧”な点にあります。
ゴルフ場のSNSで起きがちな失敗
多くのゴルフ場のSNSは、無意識のうちに製品ブランド(=プレー枠・キャンペーン)だけを発信しています。
・空き枠情報
・料金割引
・コンペ募集
・天気情報
これらは確かに必要ですが、これはブランド階層で言えば「製品ブランド」や「製品群ブランド」の話です。
この情報だけでは、ユーザーの頭の中でゴルフ場は“比較される対象”にしかなりません。
結果として、
「近い」「安い」「空いている」
この条件でしか選ばれなくなります。
ゴルフ場SNSで本来育てるべきブランド階層
ゴルフ場のSNS運用に重要なのは、SNSを企業(ゴルフ場)ブランドの育成装置として使う視点です。
ゴルフ場に当てはめると、階層はこう整理できます。
- コーポレート(企業)ブランド
そのゴルフ場がどんな思想・姿勢で運営されているのか
「ここは、どんなゴルファーに来てほしい場所なのか」 - 事業ブランド
競技志向か、カジュアルか、接待向けか、地域密着か
ゴルフ場としての“立ち位置” - 製品ブランド
平日プラン、休日プラン、コンペ、レッスン企画など
SNSで企業ブランドや事業ブランドが伝わっていない状態で、製品情報だけを流しても、ファンは育ちません。
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