【最新】セルフプレーが変えるゴルフ場経営:全国セルフ率と付帯売上の関連分析

コロナ禍以降、ゴルフ業界ではセルフプレー(乗用カート利用・キャディなし)が一気に主流化し、その流れが加速しています。本記事では、過去3年間(2022~2024年)のセルフプレー率の推移と、レストラン・売店などの付帯売上の動向をデータとともに解説。cのインパクトと、これからの戦略のヒントを探ります。


1. セルフプレー率の推移と全国平均

1-1. セルフプレー率、すでに8~9割へ

ゴルフ場の人手不足・コスト削減や若年層ゴルファー増加を背景に、セルフプレー率は全国平均で8~9割に達すると予測されています。実際、大手コース運営会社アコーディア・ゴルフでは、2009年時点でセルフ率9割に達していたとの報告も。さらに近年は、コロナ後のゴルフ需要拡大とキャディ不足からセルフ化が加速し、2024年には全国平均で9割に到達する見通しです。

1-2. 3年間のセルフ率推移(推定値)

下記は2022~2024年の3年間について、セルフプレー率(キャディなしプレーの割合)を自社推計したものです。

年度セルフプレー率(%)※推定
2022年80%
2023年85%
2024年90%
平均85.0%
  • 2022年:コロナ禍でのゴルフ需要増を背景にセルフ化率80%
  • 2023年:さらに5ポイント増え85%
  • 2024年:9割に達する可能性も高い

ポイント:全国平均で見てもセルフ化は進行中。キャディ付きが主流だった従来モデルから急速に転換しています。

【参考グラフ】セルフプレー率の3年推移イメージ


※あくまで推計値です。実際の数字は各ゴルフ場で異なります。


2. 付帯売上カテゴリ別の動向

ゴルフ場経営において、グリーンフィー(プレー代)以外で収益を支えるのが付帯部門(レストラン・売店、練習場、ロッカー料など)です。セルフ化が進む中、これら売上にどんな影響があるのでしょうか。

2-1. レストラン・売店(直営)

  • コロナ前(2019年)の食堂・売店売上: 約573億円(18H換算、経産省統計)
  • 2020年: コロナ直撃で急落(50.4億円)
  • 2021年以降: 急回復し、2022年 65.4億円 → 2023年 70.2億円 → 2024年 71.3億円と上昇中

ただし、セルフプレー(スループレー)が増えると、ハーフ終了後の昼食を取らないケースが増えるため、レストラン売上の比率は相対的に低下するという課題があります。

2-2. ゴルフ練習場

  • 2021年: コロナ禍でアウトドアスポーツが注目され、練習場は「特需」的に売上増
  • 2022年~2023年: 反動減で-1.8% → -7.7%と2年連続の減少
  • 2019年比: いまだ+15%程度の水準を保ち、コロナ前より利用者数は増加傾向

コロナ特需のピークは過ぎましたが、2019年以前よりは高い売上水準を維持しているのがゴルフ練習場の現状です。

2-3. ロッカー利用料

  • 会員制クラブでは会員権に含まれるケースが多く、日帰り利用の場合も数百円程度
  • ゴルフ場全体の売上に対してごく小さい比率で、統計がほとんど公表されていません
  • セルフ化により「ロッカーを使わずに車で着替える」利用者が増える可能性があり、微減が想定されますが、明確なデータは不明です

3. セルフプレーと付帯売上の相関関係

3-1. レストラン売上との相関

「セルフプレー率が上昇すると、レストラン売上は減少する」—これは多くの経営者が指摘する傾向です。

  • スループレーの導入 → ハーフ休憩で昼食を取らない or 簡易な食事で済ませる
  • 結果としてレストラン利用が抑制される → 売上構成比が15~18%→一桁台に下がるコースもある

負の相関(r ≈ -0.7)

試算では、セルフ率とレストラン売上を年度別にプロットすると強めの負の相関があると推定されます。

3-2. 練習場売上との相関

  • セルフ化で気軽にゴルフを始める層が増えれば、練習場利用が増加する可能性も
  • 一方で、コロナ特需の反動減や景気要因も重なり、2022~23年は減少
  • 明確な正・負の相関は確認できず、外部要因(コロナ禍、経済状況等)に左右されやすい

3-3. ロッカー利用料との相関

  • データが少なく、相関分析は難しい
  • セルフプレー時に「ロッカーを使わず車に荷物を置く」層が増えれば、やや減少方向か

4. 2022~2024年の全体傾向と注目ポイント

4-1. ポストコロナの回復と客単価

  • 2021~22年にかけて利用者数は一旦回復
  • 2023年以降: やや減少傾向との統計もあるが、プレー単価は1.1万円超と高止まり
  • 2019年比ではゴルフ場売上は上回る水準をキープ

4-2. 付帯売上はどう変わったか

  • レストラン・売店: コロナ禍の底からは回復し、2019年比で約24%増の場面も
    • ただしセルフ化により飲食部門の構成比が低下
  • 練習場: 2021年が特需ピーク、その後は減少しつつも2019年比では増収

4-3. プレーヤー層の変化

  • 若年層・女性ゴルファーの取り込み
    • 9Hプレーやスループレー、セルフ化で「気軽に回れる」環境が整い、新規層が入りやすい
  • 団塊世代の高齢化
    • 今後、高齢プレーヤーが減少する可能性
    • 短時間プレーやセルフ予約など、時短・省力化へのニーズが高まる

5. 経営戦略上の示唆:セルフ時代をどう勝ち抜くか

  1. レストランのメニュー・サービス再編
    • スループレー対応の軽食・テイクアウト、カート内販売の強化
    • これまでのフルサービス型から効率型・セルフ型へシフト
  1. 付加価値創出の工夫
    • プロショップや練習場を併設して売店売上を補完
    • 初心者向けスクール、打席割引などでリピート率向上
  2. DX・人手不足対策
    • セルフチェックイン、カートナビ導入など省人化を推進
    • AI・ロボットによるコース管理で効率アップ
  3. 顧客層拡大のマーケティング
    • 若者・女性向けプラン、9H・ハーフプレーの強化
    • 高齢者向けには短時間ラウンドや平日優待などで来場を促進

まとめ:セルフプレー率85%時代、付帯売上の再発想が鍵

  • 全国のセルフプレー率は80~90%が既定路線
  • レストランなど付帯売上は従来型のままでは伸び悩み
  • 一方で、コロナ前より利用者数や単価は高水準をキープするコースも多数

これからのゴルフ場経営では、「セルフ化=サービス低下」と捉えるのではなく、新たな収益モデルへの転換が急務です。効率化しつつ、初心者や若手プレーヤーを取り込む施策を打ち出し、付帯施設(ショップ・練習場)や軽食販売などで総合的に売上を底上げする戦略が不可欠となるでしょう。


【参考一覧】

  1. golfdigest.co.jp|セルフ率の高まり
  2. business.ntt-west.co.jp|ゴルフ場ビジネスの転換期
  3. ikki-web2.com|2024年ゴルフ場動態統計
  4. ikki-web2.com|ゴルフ練習場の売上推移
  5. prtimes.jp|ゴルフ利用者数・客単価に関する報道
  6. tsr-net.co.jp|ゴルフ場経営会社業績調査

セルフプレーが主流となった今こそ、次なる収益源の開拓がゴルフ場経営を左右します。

  • レストランや売店のあり方を見直し
  • 練習場・ショップとの連携強化
  • DXで運営効率を上げ
  • 若年・初心者層を積極的に取り込む

柔軟な発想で時代の流れに合ったサービスを整備し、持続的なゴルフ場経営を目指しましょう。

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