【保存版】ゴルフ場経営におけるセルフプレー化と付帯売上の関係を徹底解説|収益モデルの最新トレンド
ゴルフ場を取り巻くビジネス環境は大きく変化しており、その中心にあるのが「セルフプレー(キャディなしプレー)の進展」です。セルフ化によりゴルフ人口の下げ止まり・維持が見込まれる一方、キャディフィー収入の減少やプレー料金の下落が経営上の課題となっています。さらに、付帯サービス(レストラン・売店・ロッカーなど)への利用意識の変化も見過ごせません。そこで本記事では、最新の決算報告や調査データをもとに「セルフプレー率が上昇した際に、ゴルフ場の付帯売上がどう変化するのか」を数字・表・グラフを交えてわかりやすく解説します。

1. セルフプレー化が進む背景
1-1. 乗用カート普及とキャディなしプレーの一般化
近年、多くのゴルフ場で乗用カートが普及し、キャディバッグを自分で積み込むスタイルが定着しました。その結果、キャディ付きプレーより割安なセルフプレーが選ばれやすくなり、ゴルファー数は維持されつつもキャディフィー収入が大幅に減少するコースが増えています。
- 例:六石ゴルフ倶楽部 「完全セルフプレーとして経費を徹底的に削減」し、リーズナブルな料金で集客。
これに伴ってプレー料金自体も下がる傾向があり、企業や法人利用の“高額枠”が縮小された影響と合わせて、一般ゴルファー層への門戸拡大が進んでいます。

1-2. セルフプレー増加で顕在化する収入減
セルフ化によりゴルフ場はキャディ雇用コストを抑えられる一方、キャディフィー収入(利用者からのキャディ代金)という大きな柱を失うことになります。例えば旭川国際カントリークラブの決算報告によると、セルフプレー率上昇によってキャディフィー収入が年間740.7万円減少。またセルフプレーが増えることで、休憩時間や食事の利用が減り、レストラン売上が115.3万円減少した事例も確認されています。
2. セルフプレー率上昇と付帯収益の関連データ
2-1. セルフプレー増とプレー収入・付帯売上の変化
北陸観光開発の決算説明資料では、セルフプレー比率の増加に伴い「ビジター客単価が下がり、プレー収入の伸びが抑制」されたと報告されています。つまり、キャディ付きを敬遠する層が増えると、利用者数が維持または増加しても、1人当たりの支払い額が下がるため、トータルの売上成長は頭打ちになりがちです。
参考:旭川国際CCでの売上減少要因(単位:万円)
キャディフィー収入減: -740.7
レストラン売上減 : -115.3
-------------------------
合計の主要減少額 : -856.0
上記からわかるとおり、セルフ化が進むと「キャディフィー収入」「レストラン売上」など付帯部門での落ち込みが顕著に表れることが多いです。

3. セルフプレー主体コースと併用コースの売上構成比較
実際のゴルフ場事例として、六石ゴルフ倶楽部(完全セルフ)と東松山カントリークラブ(キャディ付き・セルフ併用)の2022年度収入内訳を以下の表にまとめました。
ゴルフ場 | プレーフィー収入 (百万円) | レストラン・売店売上 (百万円) | ロッカー使用料 等 (百万円) |
---|---|---|---|
六石GC(完全セルフ) | 460.7 | 43.4 | 計上なし |
東松山CC(併用) | 590.2 | 38.8 | 5.3 |
- 六石GC:
- プレーフィー収入:約460.7百万円
- レストラン・売店収入:約43.4百万円
- 東松山CC:
- プレーフィー収入:約590.2百万円
- レストラン・売店収入:約38.8百万円
- ロッカー使用料:約5.3百万円
ポイント:
- セルフ主体の六石GCはプレー収入そのものは東松山CCより低いが、 飲食・売店の売上比率(プレー収入に対する比率)は約9.4%と高め。 (東松山CCは約6.6%)
- セルフプレーの場合、プレー代が安い分を食事や売店購入に回す動きが相対的に多い可能性あり。
- 一方で、ロッカー収入などの固定費的収益はキャディ併用コースのほうが確保しやすい。

4. 【グラフで見る】セルフプレー化による収益構成の違い
下記は六石GC(セルフ)と東松山CC(併用)の「プレーフィー収入に対するレストラン・売店収入比率」を棒グラフ化したイメージです。
プレーフィー収入に対するレストラン・売店収入比率(%)
|■■■■■■■■■■■■ 六石GC : 9.4%
10% |
|
8% |■■■■■■■■■ 東松山CC: 6.6%
|
0% +-----------------------------------
- 六石GC(セルフ100%):約9.4%
- 東松山CC(キャディ併用):約6.6%
セルフプレーコースでは、「昼食込みのセット料金がない」「費用差額をF&B消費へ振り向ける」などの要因で、レストランや売店の利用率が意外と高くなる事例も見られます。ただし、キャディ付きコースの場合はそもそもプレーフィーが高めなので、相対比率では低く見えるという捉え方もできます。
5. 付帯サービス別の具体的傾向
5-1. レストラン・飲食部門
- セルフ化 → 昼食休憩が短い or 早朝・薄暮プレーを選ぶ層が増える → レストラン売上が減少しやすい。
- 一方で、カートで移動しながら軽食・ドリンクを購入する「コース内販売」を強化する動きも増加。
- 旭川国際CCではセルフ比率アップに伴い、食堂売上が約115万円減少。
5-2. プロショップ(売店)
- セルフコースではプレー料金が安いため、余剰をショップ消費に回す層もある。
- ただし、高額クラブやゴルフウェアよりも「ボール・グローブなど消耗品」が中心になりがち。
- 六石GCの場合、レストラン・売店合わせて約43.4百万円(2022年度)。
5-3. レンタル用品
- ゴルフ場のレンタル用品(クラブ・シューズ)は古くから稼働率が低く、売上全体に占める割合は小さい。
- 「手ぶらゴルフ」を訴求するコースは、無料・割引レンタルを設定するケースもあり。
5-4. ロッカー使用料
- キャディ併用コースや会員制コースでは、専有ロッカーなどで一定の固定収入を確保。
- ビジター主体のセルフコースではロッカー利用が任意で、そもそも大きな収益源にはなりにくい。
6. 海外事例と今後の展望
- 米国や欧州でもキャディ付きプレーは高級クラブ限定で、基本はセルフが主流。
- ゴルフ場経営の収益拡大策は、レストラン・バー、イベント活用、プロショップなどの付加価値向上がカギ。
- 日本でもコロナ禍以降、「完全セルフ・当日予約OK・ドレスコードフリー」などカジュアル路線のコースが増加。
- 付帯サービスにおいては「セルフレジ導入」「人件費削減」と「カート販売の強化」「軽食ビュッフェ」など、高回転型F&Bモデルが注目されています。

7. まとめ:セルフプレー時代の付帯売上戦略
- プレー料金の下落とキャディフィー減収は避けられないが、その分を付帯サービスの強化でカバーする施策が重要。
- レストラン収入が減るリスクがある一方、「売店・軽食購入率」はセルフコースのほうが上昇する可能性も。
- ロッカー・浴場・レンタル用品は売上寄与度が限定的だが、専有ロッカー料金や会員特典と絡めて収益性を高められる余地あり。
- イベント貸切・コンペ需要を取り込み、レストラン売上やショップ売上を伸ばす戦略も有効。
- 海外同様、セルフ主体でF&B・ショップ・イベントなど付加価値を高める経営モデルが今後の主流になる見込み。

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参考文献・出典
- irbank.net:六石ゴルフ倶楽部 決算報告 (S100R966)
- f.irbank.net:旭川国際カントリークラブ 決算報告 (S10077FY)
- f.irbank.net:北陸観光開発 決算説明資料 (S1003QSM)
- f.irbank.net:東松山カントリークラブ 決算報告 (S100523V)
- ikki-web2.com:セルフプレー化に関する業界調査資料
▼まとめ
セルフプレー時代において、付帯サービス(特に飲食・ショップ部門)の強化や新たな集客施策がゴルフ場経営の大きなカギとなります。カジュアル志向のゴルファーが増える中、コスト削減とサービス拡充を両立した運営モデルが、今後の生き残り策としてますます注目されるでしょう。
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